2012-09-30 九月三十日 古川柳信濃めぐり365日 あすは旦那の稲刈と上田勢 (柳多留 一二六) みのりの秋、農村は稲刈りで猫の手も借りたいほどのいそがしさ。 俗謡に 豊年じや 万作じや あすは旦那の稲刈で こうお膳立てが出来ればヘイチヤラな句のようでいて、さて意味はと聞かれるとわからぬ。慶年五年(一六〇〇)有名な関ケ原合戦の際、真田昌幸と幸村が上田城で徳川秀忠の大軍を食いとめ勇名をとどろかせた。兵力を増強するために上田城外の青田を刈り、援軍を誘致しようとした真田の智恵者振りに馳せ参ずるものしきり。