2012-09-16 九月十六日 古川柳信濃めぐり365日 上田一城六もんはむかしの値 (柳多留一一〇) 「月見の宴」で大いにジヤーナリズムを騒がせた松本城は、明治五年あやうく払い下げ取りこわしの運命にさらされたが、有志の盡力でやつと買い戻したといういわれを持つている。 それと同じように上田城もそれと前後して公売に付され、買い手の好意で西ヤグラだけ元のまま保存されることになつた。幾星霜、クルワだつたいまの南ヤグラは復元され、お城ブームでウケに入つている。 この句、鼻紙の上田紙で、一城と一帖、六文と真田の家紋六文銭を言い掛けている。