九月九日

   天白は二人とも白(もう)す御社

             (柳多留 五六)
 



 江戸時代、松本の天白神社に奉納された額にある句。天白の二字を「二人白」と分解したもので、誉田別名には八幡さま、倉稲魂命にはお稲荷さまと双方が祭られている。
 三河国岡崎近在に天白道場という妙見崇敬の道場があつた。文禄慶長のとき松本城主の石川康正は生れ故郷の岡崎城を守つたことがあつた関係で、松本城築城と同時に天白道場を開き、鎮守神として八幡と稲荷を分離したという説がある。