八月二十五日

   後朝にわらんじを履く軽井沢

           (出典不明)




    浅間山さんなぜ焼けしやんす
      裾にお十六持ちながら
 浅間山の噴煙を“やきもち“にたとえ、追分・沓掛・軽井沢の浅間三宿を三四九と数字化し、十六娘になぞらえたもの。江戸時代、このあたりは人の往来激しく活況の宿場だつた。いずれもいまでは全国に名だたる避暑地軽井沢だが、当時は旅人の気散じに乗つて遊女が誘い、夜のムードを高めた。この句のきぬぎぬは朝の盡きない名残り、エトランゼの横顔がのぞいていておもしろい。