一月十五日

   鹿之助まだ角髪で磨く芸

            (嘉永三)




 きようは成人の日。各地で希望にあふれた成人式が行われる。そんなとき年若い十六才で尼子家に仕えた山中鹿之助を思い出す。
 山中鹿之助は尼子十勇士のひとり、南佐久郡南相木村の相木森之助幸雄の子に生まれ、母は更科。幼ないときから武芸に励み勇猛で十人力という評判。
 森之助は甲斐に使してそのまま武田信玄に抑留されたのを、妻の更科は殺されたと思いこの仇を報じようと笛吹峠の鎧岩に閉じこもつたり、塩尻峠の山中に移つたりして鹿之助の成長に心を注いだ。
 この句、角髪は子供の髪型。鹿に角の結び。