三月

ばらばらの道に別れのひとつある

どこにでもある話してまるくなり

老人の思い出ながら瑞々し

根っからの頑固ひとつを持ちながら

誰のためとてもないうつけもの

一生の衒い静かな街を得て

気位の高さそこでは黙ってる

月の掌が静かにのびる軽はずみ

しんみりと残り少なき言葉じり

九十歳どこで澄ました顔をする