十月

   磊落な言葉が生まれ置いてこう


   真実の裏を見せ合いとぼとぼと


   親戚の集まり齢は見え隠れ


   落ち着かぬ言語がひとつずつ騒ぐ


   足萎えて変わり盛りの今もなお


   粛々と無駄な道とは思わざる


   死はそこで待たんというか風も同じ


   目の前に疲れた茶碗だけ並べ


   驚がす通り病葉杖を添え


   はっとするばかり人間笑うすべ