九月

   如才なくのどを鳴らして好々爺


   ゆゆしくも用意たちまち死を想う


   昔噺老いは来ないとさし向い


   ひとりごと夜中のわれを拾い出す


   道しるべ年寄りの知恵磨くべく


   あしからず自分を拾い出す時間


   百名山さらに深くて眠り欲し


   薬忘れず咲き出す花と噴く山と


   どうぞ教えを垂れ見事な蜜蜂に


   未来図に弾けた豆の笑い待つ