五月

   すみずみに老いがきちんと揃ったよ


   振出しに戻る小さな恩返し


   ひとりごと夜中のわれを拾い出す


   やせこけたおのれことごとくひらめき


   あしからずおのれひとりをふくらます


   夜の闇教えてくれるそのはなし


   あやふやな紐の落ち度が火花する


   力貸すほんとの面が浮かんだか


   遅かりしと思えど憎しみから離れ


   たしなみの灯を消す紐は長くして