1998-09-01 九月 月々の句 若死にを偲ぶおのれの齢に恥じ たましいを吊るいさぎよさ時は縫う 妻も八十四それぞれの手を揃え 父よりも母よりも米寿身をこなし ささやかな宴連衆の顔たしかめ 寝小便をしたことなしそれもやせ我慢 安時計われを好んで咳をする ボロボロになつたとしてもひとつの暗示 死の別れみちすじのキチンと沈め 明るさと暗さの見事な推理噛む