五月

   腰がほんとに痛くなる老いの諸肌


   砂文字がいくつ願いの岸に着くか


   年中昼寝誰何の声のとがめなく


   鉛筆とナイフこだわり篤くする


   筥が黙つて笑つた闇を従え


   リボン誇らしげに強弱を語り


   まといつく正義の肌の汗ばむか


   月が遮るひとつの甘い言葉


   黙つて帰りあたたまる大根汁


   老木いつぽん誰にでも聞ける話と