三月

   パラリンピックこころを凌ぐ顔顕われ


   物の怪の凶器に囃す世俗絶て


   空き缶に鋏鉛筆己も挿し


   虎唸る熱砂に飢えの重なるか


   風号泣好機不況の二枚舌


   死期近しと思いきや虫と石と


   めらめらと非の打ち所なく仕切り


   寝業師の衒うあたりのしたたる血


   あさましき世事ひとつだに制すべく


   最非を問う超えゆかば超え風雲ぞ