二月

   動と静斉しく競う長野五輪


   長い言葉でくすぐられほんの芸


   畏怖と悔い交差夢の中なる一瞬


   ひとつふたつ老残のきびしさを拾う


   一日のためにいただく安らぎよ


   使い走りの夙に凛々しく安否に構え


   思情にすわるばかりの打ちどころ


   現実の揶揄で都会の鴉たち


   効き薬ためらいもなく聞き澄まし


   世界のスポーツの友と別れる夜の燦々