十二月

猿芸の巧者に澄ます軽い椅子

生活のためにふるえる強さとは

真相の裏むくむくと雲たしかめ

業背負いふんどし如き余り持つ

冷たい手自分ひとりを逃がすまじ

高齢を尽くすまにまに左手右手

恨みぴかぴか闘いは卸さない

不行儀に鎮もり生きて底の底

死後がついてくる高い山低い山

血の波があたたかくなる背を揃し