1996-09-01 九月 月々の句 うち紅を刷けば虫たちうなずいて軸替えて父の遺品にあやかるかどこで揺れてか一筋の祈りとしさもあらばあれ一陣の風を布くかくれんぼ真に迫るは甘い金箸束に洗うとえにし顔を向く返すのは諌める言葉とんがって明日は明日役者揃いの夢紡ぐ鐘いくつ老いの道草ほどよくて効くことに離れ薬価の下ごころ