六月

 医師といつも仲良くなっているのが健康上何かと注意してくれ、助言を与えて貰えるから安心だという。処方箋に記録して体質や性格など確認してある。
 看護婦さんと顔馴染みで、診察券を忘れても顔パスで効く。医療費では毎年老人が独占して威勢がいいが、兎角話題もとりあげられる。必要のときだけでよい筈なのに、待合室が社交上として賑やかとか。変な目でみられているようだ。
 わたしは毎晩寝る前に細長い型の薬を服用することを、医師からすすめられ久しい。水をふくんでゴクンと呑むだけだから楽なもの。前立腺肥大の手術一歩手前まで治療を受け、三時間ほど罹った。とても痛くて涙がにじみ出た。
 管からやっと尿道が開通したときは嬉しかった。そんな体験から予防のため服用している。
 五月句会のころからどうしたわけか頭痛に困惑し、中途で帰らせていただいた。血圧も脈拍も正常なのに、薬をのんでいるがなかなか治らない。
 レントゲン検査をしてくれたが脳に異常はないという。注射したり、薬を変えたりして励行にいそしんでいる。
 壮年の多い山ぐにという名称のグループ句会も、どうも調子がわるく、とうとう途中で帰って来た。追って老人クラブの川柳会の方は前夜出席出来ぬことを知らせてことわった。当日は何としたことか、全員出席の晴れがましさに、顔を一人ずつ頭にえがいてあやまった。
 この三つのグループ合同句会にそれでもと元気づけて、挨拶したり、宴会には何かと我慢して列席したものの、カラオケの競演の合間少し休んだとき、大いにやって下さいと励まし中座した。
 この頃、やや鎮静を保ったようになり、ひょっとした刻、頭痛がやわらぐ状態で、みんなに迷惑をかけてすまなく思う。
 気分転換のつもりで散歩の道すがら、頭痛薬を買って併用してみようと考え、医師からの薬とマッチしたせいか、どちらが効いたのかわからぬが、野球の内野外野の双方の活躍で、全治の日は遠くはないようで有り難い次第。