十二月

身を尽くすまでひたすらな色を溶く

まぎれなくほそほそと知るぼけの証

望むらく福の朱拓にあやかるや

林檎丸かじり仕事に精一杯

持ちにくい金がふところ正直で

あどけなき遺言弘く強く問う

重くにも軽くにも言葉ちらかる

実直なお布施に足りて小浄土

山ぐにの灯の揃いゆく懇ろに

真夜中の行火気強い話好き