九月

景気失速見る見る秋気取り巻いて

忌ましき巷の芥重たがる

安からぬ思いは同じ だが前へ

濡れやすき肩をかばいて語らばや

老いていま私淑のひとを胸に収め

見遥かすいたずらを越え篤く篤く

しくじりの悔いを流して湧くか泉

人生きて錯誤の渕を洗ういま

音低く高く名残りのうた待つか

敬老の陽なたにゆだねおのがじし