五月

雲隠れさしもに秘めし重いつづら

神を従う武器掌握の埒潰え

信仰の曲がり過ぎてのはね返り

才に長け科学化学の刺し違え

瞑想の途端宙に浮き断末魔

社会復帰手を添え心また篤く

ひき出しを数え別れもそのひとつ

夭折の弟が呉れし蔵に愧じ

短かくも短きいのち全うし

ちちははと並ぶ遺影の今日も鎮み