十一月

体調の崩れまぎれの鶴の首

朝の水一杯が待つ平常心

びしょ濡れて音の風景罷り出る

横笛の瞬時小太刀となる寓意

しのび寄る老化さすがに気前よく

もろもろのすがた窶して小じんまり

裏漉しの珍味田舎をぬくませよ

逃げ場かく許されし果て声を成す

順応に怠りなくば添えて風

弱まりの日に新たなりやすけきや