六月

月光が洗う勝った手負けた足

生きかたの違いどこから押してやろ

どっと仆れ稼ぎのうちの昼寝顔

老人ホーム訪う安らぎと隔たりと

現実を逃げ逆光すら遠く

こんなにも静かな夜半にまた逢える

断末魔階段の闇小刻みに

ぼけの座に就くべきもあれ道は道

器用貧乏立ち直らせる風と共に

人間ここに到って光のみ狙う