十二月

たまさかな手紙少しは鞭にする

うすっぺらなおのれ気がつく枕とも

おないどし老いを養う殊勝げに

越年の激務とやらのひとり澄まし

回り舞台闇将軍の死に徹し

大鏡の字を拾う自分がそこにいる

この坂で本音鴉の仏頂

尊称に溺れた大人のあばら骨

祭り笛冬は微塵もなく加勢

べらぼうに厚く副題まで灼ける