1993-11-01 十一月 月々の句 天の声ほんの昔をしぼり出す昏い胸ひそかに億のキー叩くお互いにおのれ織るべく戻り橋なつかしさのみに溺れず正眼よあるがまま老いの道草おこたらず一握の慶びごとにもたれ合うやわらかにその場取り持つ気負いとしまぎれなく揶揄と侮蔑の岐路糾す踏んぎれて落ち葉の道をゆくまとも老いぬれば薬餌仕込みの目を覚ます