八月

深夜便 心の話ふと拾う

老衰と老後の惜辞のあやにくに

ことわりぞ生きのまにまに逃げはせぬ

継承のほかの手並みを遠巻きに

国事練る身にすべからく軽井沢

軽井沢嘗て鄙びし流し目よ

寝そびれし夜気われながら句のひとつ

若きらと酌む慶びの時を藉し

  八月十六日
誕生日いと凛々しくも粛然と

巡業のふれ太鼓秋も呼んでくれ