二月

返す手のためらいもなく明るかり

それとなくおのれ出しきる惧れとし

禽獣のやらせと違うわが痛み

一命を保つ憐憫細い雨

こだわりの欲しく一本橋渡る

真に笑い真に泣くわざとひとりずつ

生きて来て諸相の呻きだってある

しのび寄る弱まりいよよ寝を温め

現実のひもじさゆえのしやれを言う

手ごわくも鳴りを鎮める化粧水