十一月

老いを病む試練の果てのいみじくも

いい歳を得て暮れなずむ思い待つ

なつかしき人来たり去り何を生む

もろもろの隅っこそれは私なのだ

有終をつなぐに鈍く藪の中

あめ玉がほんの救いの寝入りばな

たっぷりとみそぎの水のひとりすまし

この卑小なるうたにこそわれを伝え

選ばれた友垣こめてつづくうた

  定金冬二君賀寿
いや重きいや軽き喜寿さて行かな