九月

名にし負うかく殊更な素っ首よ

喚問に聴取ひたひた揺れ動く

過ちを正すに鈍きピエロたち

望みある顔して花も人も足るか

姉は米寿愉しかるべき日が続こ

  江端良三さん八月二十五日急逝
忘れじな晩夏の雲の重たき訃

  信大出講始まる
原爆の句を拉し念ずるがごと

生きて生きてわが句列なる聴かせばや