七月

小さきものの夢ありやつづかせよ

たまゆらのいのちに気付く目覚めして

それが何だったかという逃げ道で

いのちみじかしと心こめ唱いし日

トンネルを抜けたばかりの気負いとも

繁栄へ旧町名が胸に棲む

ビルとビルきちんと残る蔵の意地

投手小さし青春の星いま散らす

名にし負うこの殊更な素っ首よ

ヘア考忘却の野にひとりすまし