六月

釣る大魚だから天真連れ添って

名乗り出る遅速の差ともからんでた

論外と汐どきを見て大人たち

のるかそるか見事なうたを聞かせたく

小さい旅おのれのがしてみたくなる

背水の陣の譬えと齢が合う

延命の越しかたなぞる自然体

盛衰の女ひとりの後ろつき

千載一隅日の山ぞ怒りにあらず

悠久のひとこま更に深くする