四月

よき事と物容れておく壷がある

飯うましこのたしかさを享けて見ん

どの名にもさだめの近い手が伸びる

どすんと落とす逃げの一手見えないか

乳房ゆさぶるたたかいの庭を持ち

禿びた靴萎びた乳房語らせよ

自分が出てきて気負いとも支えとも

ともらいのこころやがての日を置いて

山河あり国の調べと旗じるし

君が代と日の丸いくつ坂越える