平成元年9月

試歩らしい人に後れて朝風よ

目を覚ます尿意おのれがいとしいか

人の為世の為ほどの腰弁当

蔵書票青春の気を啓いてく

風の便り友の痴呆のねんごろに

どの箱も罪の償い相容れる

真夜一句ここに生まれて新しや

党是ややゆるめた顔を整える

選良の背に課されたる経綸度

追い風に心情的な語を拾う