平成元年4月

囁きは春でうなずく胸のうち

群れをなす鳥の痛みも同じくて

叱られた年寄りぬるい茶を前に

運と根残り少なもそれがある

退陣の轍惜別とも違う

栄光の座を去る濁り捨て残し

不倫後ずさり倫理はしかめ面

受け皿の白いちまいの見せ返し

天誅の一撃を俟つ根の深さ

旗はまばらに休養の気は揃う