平成元年3月

読み切りで露悪に下が戻らない

褒めといて自分を少し見つけ出す

闇が好きだから緩める自浄力

握り飯たしかに逃げる日がつづく

弔問外交思いの丈を道すがら

黙祷のキャンプ選手の画になって

考えるデモと弔旗の熟れ合える

野辺送り個のいくつかを数えんと

慎しく内の爛れを布いておく

国として外の声なる白い刺