1988-12-25 十二月 月々の句 向こうから呼び水誘うまでもなく 惜しがられじわじわ齢の熟むかたち まなじりに勇を決し正邪を分かつ 顔色を変えないという羽の傷み 酬いるに足りぬ今わを鞭打たれ 願ってもない道のりを覚えとく 物欲のとりこ素直に風邪を引き 空とぼけぐっと知名度のしあがる 伸びをして見せてゆとりの仕業とか あわよくば攀じ登りゆく黒き爪