十月

   見残しのやわやわ流れゆくあたり


   謙譲の美を前にして相せめぎ


   もろもろの出会いほんとの顔になる


   置かれてる立場眠っている猫だ


   利潤大たたかいはまだ終わらない


   姉いもと久しやここに擁すべく


   下りませ父母の御霊のあきらかに


   揺るるがごと若き亡弟の胸に澄む


   一汁一菜いまはらからを倶として


   齢磨かれ世過ぎのみちの安かれや