十一月

   ビニール袋の空き缶たちのうめき声


   わくら葉の濃い黄まざまざひろがり来


   盃の薬のうたを聴いてやる


   頬冠り隠士折々くしやみして


   一生一木小さきものの囁きよ


   辛抱の強さと擬せし老来で


   老少不定くせ球 見えぬ手にまかせ


   限りある際にどよめくのは味方


   有終の美に抱かれ羽は真白なる


   生き合えて叙勲の友に便りする