1987-10-25 十月 月々の句 とき長けてひと癖ふた癖は消える 諺のいくつ湧かせて身のこなし 山秀で小なるわれを相容れる 高い山低い山かくも劣らず 名月を拾い得て老いに漬かるや 散りしきる枯葉まともに生きて来た ためらわず秋は濃きものみな本気 冠雪の山に向くひしと磨くか 夜の雨の夢ならばこそ弾き語り 世捨てびとならぬ稼ぎの小さくとも