七月

   衰えを口に休まる思いとか


   さりげなくいのち拾いを得て


   つつましく齢の祭りの宥め合い


   笹舟のほどよさ泛ぶ目にしるく


   生きてればこその記憶を大事がる


   沈静化民意の彩のひたぶるに


   呼び覚ます疼きふつふつ意を糾し


   婉曲に咎められての綱渡り


   杳かなる加害直視の鉦を打つ


   当たる人勝つ者くぐる門がある