1987-05-25 五月 月々の句 ねんごろの言葉が返る痛みとか 気まぐれの域を出たがる腕まくり 助かろうとはしないかかる道筋 そそくさとめしの時間との絡み 得たる知己この齢にして目覚めゆく 盗聴のいやしき狎れを厚くする 死刑囚仆れ未完画は遺すべく 射つむごさ閉ざされし世の憤り こめかみのただならざるを映しとる 久しからず破れ笠を手に雫する