三月

   眼福を肥やす残んの日照り雨


   ぶきっちょの拍手あたり誰もいず


   ゆるやかな真夜のいばりにもたれかけ


   身に覚えあってぽとぽと濡れ初め


   泥まみれ得意のわざをいつ出すか


   混迷の度に乗っかって鞭揮う


   懊悩のゆさぶり水のひと味に


   覚束な思いのたけのなかばする


   浪人はいくたり春がへし曲がる


   尾羽打ち枯れまた磨く道あれな