九月

   はみ出さぬ見出しが暴く揃い踏み


   軽井沢談につながる秋ほむら


   パーティーのどろどろやがて種明かし


   歓迎と抗議の旗に軋む海


   資産公開吊りズボンなど見えて来ぬ


   長い目でくるむ史書から取り結ぶ


   放言の見る見る椅子の水びたし


   グライダー信濃の秋のまぎれなし


   お詣りのこころ直ぐなる朝を持つ


   雲添えて山の寡黙が宥すとき