1985-11-25 十一月 月々の句 群雄割拠更に熟して明日を漕ぐ 雄叫びの定かに鎧う音立てて ひんやりと寝首に安堵する目覚め 後れとる一太刀虫を鳴き鎮め 夜霧這う弱者見据えて滔々と 耳打ちの策は扇の半開き 取り乱す悲憤慷慨孤雁立つ 吟ずれば仮寝の風呂の焚き返し 人の訃の恩讐越ゆる机に戻り 諸肌の灸点いくつ傷と和す