1985-08-25 八月 月々の句 知ることの深きに堪えて眠りゆく ころころと小石ひとつの音のゆくえ まぼろしの寝たきり老人笛を吹く 蝉鳴かすいくさにくしのそのなかに 暑い夏しがらみいくつ重たかろ 地滑りの生の怒りと死の眠り 悔恨が突く天災か人災か 墜落にいとけなき名も拾う胸 生存の一縷の救いきらめく刻 御霊幾百樹林の精に抱かれけむ