七月

   折あらば訪ねたき君のびのびと


   患いのひとつふたつを通じ合い


   老い一途気休めながら手入れして


   有終の美を思いやるいたわりや


   減るダムにまだしがみつく水スマシ


   ここに来て見上げる樹々の打ち揃い


   うきしずみやさしかるべく目に逢える


   松本城山に応える男っぽさ


   信濃路に靡くこころをしかと受け


   海抜五百九十米踏んまえ踏んまえ