四月

   目立たない顔も拾って春が来た


   小暗きなかにそっと置く病みつき


   見えてくる世の中果てにを信じれば


   なんと聴く鐘のゆくえに横たわり


   如才なく時の刻みに乗かって


   生きかたと死にかた尽くし絵をこすり


   御開帳万博の扉もまた未来


   天下り花より先に打ち揃い


   脱税天国ここら一息入れておく


      丸山太郎さん逝く 四月五日

   友の名を胸に行く道帰り道