十二月

   男おんな尽きぬ小径を拾わねば


   気遣ってくれる便りがいまの鞭


   むしられる暦のうえの道草よ


   この世とのずれにうつろう風が吹く


   そう読めていた迂闊さに痛がって


   ほとぼりの覚めしを嫌う冬景色


   常民の胸のバッジをいつも持つ


   目覚め合う真夜のしじまの映し得て


   蝶番狂うからだに言い含め


   友の訃のしきり優しくなっていて