1984-10-25 十月 月々の句 内遊のおもわくに散る紅葉たち 世界の眼くじらの小さき目にからみ 声紋の憎きがままに世のうめき 南北を結ぶアリラン流れ合う カラオケの自分ひとりを漉しにゆく 紙風船少し妬みがこめてある 季の花の滴り墓は待っていて コップに当てまっしぐらに落ちる輩 一生を卒えて濡れてく綺羅星に 別れとの威儀を正して遠くする