十月

   内遊のおもわくに散る紅葉たち


   世界の眼くじらの小さき目にからみ


   声紋の憎きがままに世のうめき


   南北を結ぶアリラン流れ合う


   カラオケの自分ひとりを漉しにゆく


   紙風船少し妬みがこめてある


   季の花の滴り墓は待っていて


   コップに当てまっしぐらに落ちる輩


   一生を卒えて濡れてく綺羅星


   別れとの威儀を正して遠くする