1984-06-25 六月 月々の句 マジックのほんとの札の息使い 探る手の愛にまだある冬景色 気づまりの仮設のうえにあぐらせよ ふがいなく宥す身のほど思い知り よんどころなく去る影のまっとうさ 見せかけの嚢のなかのいがみ合い 頭でっかちの図式の下の子羊よ でかい紙幣の貌で手形調子づく 政治倫理ひと忘れ始まる芝居 気の好くままの旅で風に吹かれた笠