十二月

   打ち明けるまでなく狐とのわたり合い


   支持率に照らし布陣を怠らず


   這い上がる神の手ならぬ手を添える


   喪の便り年の瀬そこだけが乾く


   句を尋ね余生の翳はおのずから


   失いしものを求めて焦げに逢う


   ひらめきを向こうでも持つ歩み寄り


   そぎおとす齢のみちびきかと縋り


   はしたなき涙この上なく近い


   冬の雨微恙の頬をたしかめに