十一月

   決着を匂わす転び出た言葉


   青りんご素直さだけに眺められ


   うす味におさえた感じ置いてゆく


   おしはかるまでに小さくなり切って


   さわやかにやがて極めゆく輪廻


   さよならの余韻いまから聞かすすべ


   にぶい艶救い難きをはがゆがる


   冷めた目でみんな別れに立ち上がり


   くすぶっている気をはたで回し合い


   物惜しみなく寛容の背をさらし